「問い」で振り返る本書の内容
目的-目標-手段
本書の主題である「目的-目標-手段」を定める問いから振り返る。
まず目的を定める問い。組織における目的は一貫性がある必要がある。自分の定めた目的が上位目的に一貫して貢献することが成果創出には重要になる。ここで問うべきは「上位目的は何か?」「その背景は何か」である。
またポジション(空間軸)と見据えるべき期間(時間軸)で目的の外枠を考える必要がある。「どういうポジションで目的を考えるか?」「目的が見据える時間軸はどれくらいか?」で目的の範囲を決めておく。
目的の範囲が決まったら、実際に目的を決めていく。このとき「何のためなのか?」「どんな状態を目指したいか?」「どんな状態を目指すべきか?」を問うことで目的を自分事化できる。正面から考えて目的が見つからない場合「もしこの仕事がなくなったらどうなるか?」は仕事の目的を見つけるカギとなる。
目的が決定したら目標に具体化していく。目標の達成がそのまま目的の達成に結び付くように設定することが必要だ。そのために「目的を達成するために何が必要か?」「目的の構成要素は何か?」の問いが必要になる。
目的から目標を切り出したら、目標に具体的な水準を与える。距離と時間の2軸で切ることで、目的に対する中間地点としての目標が置ける。つまり「目標水準はどの程度か」「達成までの期間は?」の問いになる。この時に目標が大きく困難に見える場合は「目標を小目標に分解できないか?」を考えてみる。
こうして適切に立てられた目標は目的達成のマイルストーンとなる。マイルストーンがズレていれば、労力をかけても成果が出ない。故に目標の妥当性はSMARTの項目で確かめておこう。
・S;Specific(具体的であるか)
・M;Measurable(評価可能か)
・A;Achievable(達成可能か)
・R;Relevant(目的と整合しているか)
・T;Time-Bound(期限が明確か)
目標にたどり着くための手段を考える。ここでも問いはシンプルに「目標をどのように達成するか?」になる。また問題を正確に捉えるために「現状と目標のギャップは何か?」を問うのも有効だ。
5つの基本動作
目的達成の土台となる手段を戦略面で支えるのが「5つの基本動作」である。認知・判断・行動・予測・学習の5つである。
解くべき問題を見極める「認知」の問いを見ていく。「目標に対して現状はどうなっているか?」「どこにどんなギャップがあるか?」を問うことで差分(問題の本質)を見抜くことができる。発見した問題を全て解く訳ではない。解くべき問題を選ぶための問いは「目標達成へのインパクトの大きい問題は何か?」「問題は実際に解決できるか?」である。問題の本質的な解決のためには問題の真因に手を打ち、問題を生んでいる因果関係を変える必要がある。問題の真因を掘り下げる「なぜ?」の問いは次の3点になる。「問題が発生しているのはなぜ?」「因果関係の構造はどうなっている?」「問題の真因は何?」の3つである。
解くべき問題とその真因が特定できれば、次は「やること/やらないこと」を判断していく。最初に「できる/できない」の判断軸を置いて「どのような対応策の選択肢があるか?」の問いを立てる。選択肢が揃ったら、次は判断軸を設定する。判断軸が明確なことで、意思決定が的確になり、相手に判断理由を明確に説明し納得と信用を得ることができる。「何を判断軸に置くか?」「判断軸の重みは?」の2つの問いを立てる。選択肢と判断軸を取り揃えたら、それぞれ縦軸と横軸に置いたオプション・マトリクスを作る。
認知・判断で問題に対して打つべき策が特定できた。次は人の動きに落とし込む。「実行策をどう進めるか?」「具体的にどんなアクションが必要か?」の問いを通して実行策を実行可能なものにする。「メンバーにとって実行可能な状態になっているか?」の配慮は常に必要になる。アクションを実行計画に落とし込むためには「誰がやるのか?」「いつまでにやるのか?」「アクションの前後関係・依存関係は?」の3つの問いに確実に答える必要がある。
上で書いた「認知・判断・行動」は現在(目の前)の問題に対処する技法だ。これに対し「予測・学習」は未来の問題への対処法だ。「予測」は顕在化していないリスクの芽を先に摘む行動で、わずかな労力で潜在的な大問題を解決できる。リスクは手段に群がるように発生するので「どの手段に対しどんなリスクがあるか?」の問いを立てる。特定された全てのリスクに対し手を打つ訳にはいかないため「リスクのインパクトは?」「リスクの発生可能性は?」の問いでリスクの深刻さを評価し「どのリスクに優先して対処するか?」「どのリスクを受容するか?」の問いで緩急を見出す。リスクを特定できたので「どんなリスク対応策を打つか?(軽減・回避・移転)」で対応策を講じる。
5つの基本動作の最後は「学習」である。経験からの学習を概念化して保存することで、ヨコ展開で未知の問題に対処できるようになる。まずは類推の可能性に気づくために「既存の知識を活かせないか?」「類推で考えらないか?」を問う。次に目の前の問題に対して「問題の目的は何なのか?」を問うて共通目的を取り出す。「既知事例の要点/成功要因は何か?」「目の前の問題に対して何の示唆があるか?」を問うて知見を移転していく。
5つの基本動作を通じ強固な手段が作られる。「目的-目標-手段」が正確に繋がっていれば、目的は達成される。上で見た問いに一覧性を持たせた図を以下に示す。本書を一読した人ならば、この図は何よりの御守りになるはずだ。

【参考図書】
戦略コンサルタントが大事にしている 目的ドリブンの思考法
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