スーパーマンに見せる必要も、なる必要もない
弱みを公開することで仲間は生まれ、仲が深まっていく。
人間は共同体を形成する。人間だけでなく、多くの哺乳類はこれをする。なぜか。お互いに弱みを補い合うためだ。原始であれば、農耕が得意な人間、商売が得意な人間、物作りが得意な人間が共同体を組み、さらに各カテゴリーの中でも補いあってきたはずだ。「弱みを共有する」ことこそが「いざとなったら助けてくれる仲間」を作る鍵である。
一方で現代社会では、容易に自分を粉飾決算することができる。SNSは交友関係を薄く広く整形し、そこでは弱みを共有しにくい雰囲気がある。そこでは幸福で満たされた自分だけを公開するのが「普通」だから。この雰囲気や普通を現実まで侵食しつつある。SNSで大きく見せた自分の正体が相手にバレるのが嫌だからだ。友人や恋人に弱みを公開しないから補い合う意識が欠如してきている。
これはキャリア形成を考える時にも同じことが言える。「TOEIC800点以上の英語力はあった方がいいだろう」「簿記2級は取っておいた方がいい」などと言って、全ての要素で偏差値50の意識高い系人間が量産されている。こんな人間が寄り集まった組織でシナジーが生まれる訳がない。「俺はシステムが好きで強いが英語は喋れない」「なら英語は帰国子女の私に任せて」という補い合いが強い組織を作るのである。同じ人間は2人要らない。自分の得意とするフィールドを形成し、弱い部分は素直に助けて貰えば良いのだ。
人間は完全な状態になれない因果な存在だ。しかし不完全だからこそ補い合う必要があり、仲間を作り続けていた。仲間は人間存在に欠かせないものであり、故に「弱みを公開する」ことは現代において最も求められる技術だと言える。



コメント