叙述的>叙情的。定義が曖昧で、空白が上手いもの。
映画でも小説でも漫画でも曲でも、心情表現が直接描写されていないものが好きです。叙情性の強い作品より、叙述的なものを楽しめます。
私は「〇〇だから悲しい」「××だから不安」「やるせない恋愛感情」といった描写があっても、そこに懐疑的な人間です。悲壮感、不安感、恋愛観の定義というのは非常に緻密で、本来は一人ずつ違うもののハズです。それが本来の「論理・数字」と「情理・芸術」の違いであると私は考えます。それを十把一絡げに「模範解答」として提供してくると醒めてしまいます。特に最近流行りの「まだ何者になれるか分からない不安」を描いた歌詞は非常に好きでありません。偏屈というか天邪鬼というか、メンタリティがそれ程に他人と違うのでしょう。
故に、感情部分は曖昧に定義しておいて欲しいのです。発言する風景として登場人物を描き、10人いれば10人が違った(国語辞書的には同一表現の)「悲しさ」を覚えるのが理想です。
上記の特徴が捉えられている作品で有名なものは多くありません。理由は簡単、売れないから。人間の心に響くのは負の感情や恋愛感情を描いたものであって、そうでない作品は「何を言いたいのか良く分からない」と一蹴されてしまいます。それでも梶井基次郎、あだち充、松本隆に固定のファンが付くということは、私と同じ趣向の人がいるのでは、と思ったりします。


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